第二次世界大戦の解説

第二次世界大戦とポルトガル

 第一次世界大戦で混乱に陥ったポルトガルでは軍事政権が誕生し、コインブラ大学教授のサラザールが財政再建を果たした。

 サラザールは軍部を掌握し、首相・財務大臣・陸軍大臣・海軍大臣・外務大臣を兼任して独立体制を確立する。

イベリア同盟

 第二次世界大戦が勃発すると、ポルトガルは中立を宣言。永久同盟国であるイギリスとは距離を置き、隣国スペインのフランコ政権に接近した。

 スペインと不可侵条約を結んだサラザールは、経済的にイギリスからの脱却を果たし、スペインとの「イベリア同盟」による経済成長を進めた。

 サラザールは当初、連合国よりもドイツ・イタリアに好意的だった。戦争中は連合国にも枢軸国にもタングステンの輸出を行い、経済は繁栄した。

 しかしながら、国民はインフレと賃金低下、労働条件の悪化に苦しみ、各地でストライキが頻発する。サラザールは徹底的な弾圧を加えることで沈静化に成功する。

連合国への接近と戦後

 1943年にイタリアのファシズム体制が崩壊すると、ポルトガルは連合国に接近した。イギリスに大西洋の軍事基地使用を認め、次いでアメリカにも許可する。

 ポルトガルはヨーロッパでも貴重な中立国であり、亡命先だった。

 第二次世界大戦終結後もサラザールの独裁体制は続いた。民主主義への移行が進む世界の中で、サラザールは表面上選挙を行い、対立陣営を妨害して体制を維持し続けた。

 アメリカなどの西側諸国は共産主義陣営に対抗するため、独裁体制のポルトガルを北大西洋条約機構(NATO)や国際連合に加えたのだった。

 その後もサラザールは反体制運動を弾圧し、植民地には強硬な姿勢をとり続けた。サラザールは1968年に引退。ポルトガルに革命が起こるのは1974年のことである。