第二次世界大戦の解説

アメリカの航空母艦

レキシントン級航空母艦

サラトガ
就役年 識別記号 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1927年 CV-2 レキシントン 36,000t 35.0kt 93機
1927年 CV-3 サラトガ 36,000t 35.6kt 93機

 巡洋戦艦を改装した空母。完成時は世界最大の空母で、同世代の空母と比較しても優れていた。アメリカ国民からは「レディ・レックス」と「シスター・サラ」の姉妹で呼ばれて親しまれた。1番艦レキシントンは珊瑚海海戦で沈没、2番艦サラトガは各地の戦いに参加し、終戦まで生き残った。

航空母艦レンジャー

レンジャー
就役年 識別記号 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1934年 CV-4 レンジャー 14,576t 29.9kt 76機

 アメリカが初めて建造した純粋な航空母艦。搭載機数を優先したため、防御力がほとんどなかった。おかげで危険な太平洋では運用できず、大西洋や地中海に投入された。

ヨークタウン級航空母艦

エンタープライズ
就役年 識別記号 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1937年 CV-5 ヨークタウン 19,800t 32.5kt 90機
1938年 CV-6 エンタープライズ 21,000t 33.3kt 90機
1941年 CV-8 ホーネット 19,800t 33.0kt 90機

 歴史の転換点となったミッドウェー海戦に参加した3隻の空母たち。ヨークタウンは損傷を応急修理して戦場に駆けつけた。同海戦でエンタープライズとヨークタウンの同時攻撃により日本の空母赤城、加賀、蒼龍を撃沈し、残った飛龍もヨークタウン艦載機が葬った。

 エンタープライズのみ戦争終結まで生き残り、アメリカ軍で最も活躍した軍艦になった。国民からは「ビッグE」と呼ばれて親しまれた。

航空母艦ワスプ

ワスプ
就役年 識別記号 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1940年 CV-7 ワスプ 15,752t 30.1kt 76機

 ワシントン海軍軍縮条約で残された排水量の制限内で建造された空母。そのためヨークタウン級航空母艦よりも小型で、航空母艦レンジャーの設計が参考にされた。レンジャーに比べれば多少は改善されたものの、やはり防御が不十分な空母だった。

 大西洋でイギリス海軍と共に行動し、やがて空母が不足した太平洋に移動した。ガダルカナル島支援任務中に日本の潜水艦の攻撃を受けて沈没。

エセックス級航空母艦

エセックス
就役年 識別記号 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1942年 CV-9 エセックス 27,100t 33.0kt 100機
1943年 CV-10 ヨークタウン 27,100t 32.7kt 100機
1943年 CV-11 イントレピッド 27,100t 33.0kt 100機
1943年 CV-12 ホーネット 27,100t 33.0kt 100機
1944年 CV-13 フランクリン 27,100t 33.0kt 100機
1944年 CV-14 タイコンデロガ 27,100t 33.0kt 100機
1944年 CV-15 ランドルフ 27,100t 33.0kt 100機
1943年 CV-16 レキシントン 27,100t 33.0kt 100機
1943年 CV-17 バンカー・ヒル 27,100t 33.0kt 100機
1943年 CV-18 ワスプ 27,100t 33.0kt 100機
1944年 CV-19 ハンコック 27,100t 33.0kt 100機
1944年 CV-20 ベニントン 27,100t 33.0kt 100機
1945年 CV-21 ボクサー 27,100t 33.0kt 100機
1944年 CV-31 ボノム・リシャール 27,100t 33.0kt 100機

 第二次世界大戦中はもちろん、戦後もアメリカ海軍の主力を担った傑作空母。なんと100機も航空機を搭載できる。

 飛行甲板を強化したイギリスのイラストリアス級航空母艦と比べると防御力に難があり、日本の神風特別攻撃隊の攻撃で損傷させられることも多かった。戦後は改装されてジェット戦闘機にも対応。何度も改装され、最終的には最初とまったく違う形になっている。

 なお、エセックス級航空母艦はこの一覧表のほかにも10隻以上が終戦日以降に完成している。恐ろしい生産力である。このほかにもアメリカは30機前後の航空機を搭載できる「護衛空母」を大量に建造して戦争に参加させている。