第二次世界大戦の解説

イギリスの戦艦

クイーン・エリザベス級戦艦

バーラム
就役年 艦名 基準排水量 最大速度
1915年 クイーン・エリザベス 31,585t 24.0kt
1915年 ウォースパイト 32,468t 24.0kt
1915年 バーラム 31,100t 24.0kt
1916年 ヴァリアント 27,500t 24.0kt
1916年 マレーヤ 32,980t 25.0kt

 第一次世界大戦中に建造された旧式戦艦。近代化改装が実施され、第二次世界大戦でも主にイタリア海軍を相手に地中海で活躍した。

 特に2番艦のウォースパイトはナルヴィク海戦でドイツ駆逐艦部隊を全滅させ、地中海ではイタリア戦艦2艦と交戦し、イタリア上陸、ノルマンディー上陸を支援するなどイギリス戦艦で最も活躍。古いものが好きなイギリス人から「オールド・レディ」と呼ばれて親しまれた。

リヴェンジ級戦艦

レゾリューション
就役年 艦名 基準排水量 最大速度
1916年 リヴェンジ 28,000t 23.0kt
1916年 レゾリューション 29,150t 23.0kt
1917年 ラミリーズ 28,000t 18.0kt
1916年 ロイヤル・ソブリン 29,150t 21.5kt
1916年 ロイヤル・オーク 29,150t 20.0kt

 すべての艦名がRから始まるので、R級戦艦とも呼ばれる。クイーン・エリザベス級戦艦の廉価版。近代化改装は行われず、輸送船団の護衛任務などを行った。

ネルソン級戦艦

ネルソン
就役年 艦名 基準排水量 最大速度
1927年 ネルソン 37,000t 23.5kt
1927年 ロドニー 36,000t 23.8kt

 奇抜な形状の戦艦。写真をみるとわかるように、主砲塔3基がすべて前方に配置されている。ワシントン条約で定められた排水量を守るため、攻撃力と防御力は高いが速力は抑えられている。

 全部の主砲を前方に配置した形状は世界から注目され、フランスのダンケルク級戦艦も似たようなスタイルになっている。3番砲塔を後ろに向けて発砲できないという欠点があった。次なるキング・ジョージ5世級戦艦は主砲を前後の配置に戻している。

キング・ジョージ5世級戦艦

アンソン
就役年 艦名 基準排水量 最大速度
1940年 キング・ジョージ5世 36,772t 28.0kt
1941年 プリンス・オブ・ウェールズ 36,727t 28.0kt
1941年 デューク・オブ・ヨーク 39,450t 28.3kt
1942年 アンソン 36,727t 29.5kt
1942年 ハウ 36,727t 29.5kt

 防御力重視で堅実なイギリスらしい新鋭戦艦。他国の戦艦と比べると主砲が35センチ砲と控えめで、四連装砲を採用している。これは仮想敵国の日本がどのくらいの口径の主砲を採用するのかわからなかったためで、結果的に攻撃面では他国の新鋭戦艦より劣ることになった。

 マレー沖海戦で日本軍航空機に撃沈された2番艦プリンス・オブ・ウェールズが有名だが、3番艦デューク・オブ・ヨークがドイツ戦艦シャルンホルストを撃沈するなど活躍もしている。

レナウン級巡洋戦艦

レパルス
就役年 艦名 基準排水量 最大速度
1916年 レナウン 31,988t 31.0kt
1916年 レパルス 32,000t 28.3kt

 巡洋戦艦とは速力を重視し、その分防御力の低い戦艦のこと。結果的には各国とも巡洋戦艦が最もよく働いている。ちなみに戦艦の速力を高めるのは大変なので、意外と普通の戦艦よりも大型だったりする。

 古い艦ながら、ちょくちょく改装されて第二次世界大戦ではドイツ戦艦シャルンホルストやポケット戦艦に対して優位に戦える戦力として存在感を示した。レパルスはマレー沖海戦で日本軍航空機に撃沈された。

巡洋戦艦フッド

フッド
就役年 艦名 基準排水量 最大速度
1920年 フッド 41,125t 29.5kt

 イギリス最大の戦艦で、美しいシルエットが特徴の高速戦艦。建造時は世界最大で、巡洋戦艦ながら高い攻撃力と防御力を併せ持っていた。イギリス国民からも「mighty Hood(強大なフッド)」と呼ばれる国家の象徴だった。

 古い戦艦だったので近代化改装が予定されていたが、ドイツ戦艦ビスマルク発見の報告により、高速のフッドが新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズとともに出撃することになった。フッドはビスマルクに急接近して砲撃戦を始めたが、ビスマルクの砲弾が弾薬庫に命中、大爆発を起こして沈没してしまった。

 国民の誇りであるフッドを撃沈されたイギリス海軍は、大量の戦艦、航空母艦、巡洋艦、駆逐艦をビスマルク追撃に差し向け、袋だたきにして復讐を果たしたのだった。