第二次世界大戦の解説

日本の航空母艦

航空母艦鳳翔

鳳翔
就役年 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1920年 鳳翔(ほうしょう) 7,470t 24.7kt 14機

 世界初の、空母として建造された軍艦。すでに世界には空母が存在していたが、いずれも軍艦などを空母に改造したものばかりだった。純粋に空母としてはイギリスのハーミーズが起工されていたが、鳳翔の方が先に完成した。従って、いくつか条件がつくものの、世界初の空母を建造したのは日本ということになる。

 第二次世界大戦では潜水艦の哨戒任務や、戦艦の護衛、練習艦などに使用された。

航空母艦赤城

赤城
就役年 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1927年 赤城(あかぎ) 36,500t 31.2kt 63機

 巡洋戦艦として建造されたが、ワシントン海軍軍縮条約により空母に改装された。最初は飛行甲板が三段あったが、近代化改修で一段になった。

 機動部隊の旗艦として真珠湾攻撃をはじめ、インド洋などで活躍。ミッドウェー海戦で加賀、蒼龍、飛龍とともに沈没した。本来なら新型空母の翔鶴が旗艦になるはずだったが、飛行甲板が短いという理由で赤城のままになったという。

航空母艦加賀

加賀
就役年 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1928年 加賀(かが) 26,900t 26.7kt 81機

 もとは戦艦になる予定だったが、ワシントン海軍軍縮条約により空母に改装された。巡洋戦艦から改装された赤城と比べると速力や飛行甲板の長さが劣っていたが、航空機や燃料の搭載量は加賀の方が多く、揺れも少なかった。

 赤城と共に第一航空艦隊を編制し、真珠湾攻撃その他各地で活躍。ミッドウェー海戦で沈没した。

航空母艦龍驤

龍驤
就役年 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1933年 龍驤(りゅうじょう) 10,600t 28.0kt 33機

 ワシントン海軍軍縮条約により排水量に制限があったため、軽巡洋艦程度の船体にたくさんの設備を載せた空母。小さな船体に巨大な航空機格納庫、飛行甲板を載せている。そんなわけでバランスが悪く、急旋回すると大きく傾き、転覆の危険もあったらしい。

 真珠湾攻撃には参加せず、南方やインド洋で活動した。ガダルカナル島支援中に航空機から攻撃を受けて沈没。

蒼龍型航空母艦

飛龍
就役年 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1937年 蒼龍(そうりゅう) 15,900t 34.8kt 57機
1939年 飛龍(ひりゅう) 17,300t 34.5kt 57機

 優れた設計の中型正規空母。海軍軍縮条約により排水量が制限されていたが、2番艦飛龍はこの制限がなくなったため、やや大型になっている。

 赤城、加賀とともに第一航空艦隊に所属し、真珠湾攻撃やセイロン沖海戦、ミッドウェー海戦の主力になった。飛龍はミッドウェー海戦でアメリカ空母ヨークタウンに反撃した艦としても知られる。

翔鶴型航空母艦

翔鶴
就役年 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1941年 翔鶴(しょうかく) 25,675t 34.4kt 72機
1941年 瑞鶴(ずいかく) 25,675t 34.2kt 72機

 蒼龍型航空母艦を大型化し、防御力などを強化した新型空母。

 真珠湾攻撃からインド洋など主要な戦いに参加し、珊瑚海海戦ではアメリカ空母レキシントン、ヨークタウンと航空戦を行った。このときレキシントンを撃沈したものの、艦載機を多く失ったためにミッドウェー海戦には参加できなかった。翔鶴と瑞鶴は大抵一緒に行動していたが、なぜか翔鶴ばかりが攻撃を受けて、瑞鶴は無傷のことが多かった。

隼鷹型航空母艦

隼鷹
就役年 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1942年 隼鷹(じゅんよう) 24,140t 25.5kt 48機
1942年 飛鷹(ひよう) 24,140t 25.5kt 48機

 大型客船を改装した空母。日本では有事の際に空母に改装することを条件に民間客船建造に補助金を出していた。正規空母と比べると速度や防御に難があったが、艦載機数48機は貴重な存在で、ガダルカナル島支援やマリアナ沖海戦に参加している。

航空母艦大鳳

大鳳
就役年 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1944年 大鳳(たいほう) 29,300t 33.7kt 52機

 翔鶴型航空母艦の設計を元に、飛行甲板を強化した空母。その分、搭載機数は減った。さっそくマリアナ沖海戦に出撃したが、アメリカの潜水艦から攻撃を受けて燃料に引火し、爆発して沈没してしまった。

航空母艦信濃

信濃
就役年 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
- 信濃(しなの) → 未完成

 大和型戦艦の3番艦を空母に改装したもの。もちろん完成したら世界最大の空母になる予定だった。空襲を避けるために移動中、アメリカの潜水艦に襲われて沈没した。

雲龍型航空母艦

葛城
就役年 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1944年 雲龍(うんりゅう) 17,150t 34.0kt 57機
1944年 天城(あまぎ) 17,460t 32.0kt 57機
1944年 葛城(かつらぎ) 20,200t 32.0kt 57機

 飛龍を改良した中型正規空母。燃料不足のためほとんど活動する機会がなかった。上記3艦のほかに同型艦4隻が建造されていたが、いずれも中止された。

祥鳳型航空母艦

千歳
就役年 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1939年 祥鳳(しょうほう) 11,163t 28.2kt 27機
1940年 瑞鳳(ずいほう) 11,200t 28.2kt 27機
1942年 龍鳳(りゅうほう) 13,260t 26.2kt 24機
1943年 千歳(ちとせ) 11,190t 29.4kt 30機
1943年 千代田(ちよだ) 11,190t 29.4kt 30機

 ワシントン海軍軍縮条約により航空母艦の保有を制限されていたため、すぐに空母に改装できる前提で建造された軍艦たち。いずれも最終的に航空母艦に改装されている。

 このような複雑な経緯から、5艦をまとめずに祥鳳、瑞鳳型空母(瑞鳳、龍鳳)、千歳型空母(千歳、千代田)と分けるほうが一般的。

大鷹型航空母艦

大鷹
就役年 艦名 基準排水量 最大速度 艦載機数
1942年 大鷹(たいよう) 17,830t 21.0kt 23機
1942年 雲鷹(うんよう) 17,830t 21.0kt 23機
1943年 冲鷹(ちゅうよう) 17,830t 21.0kt 23機
1943年 神鷹(しんよう) 17,500t 21.0kt 27機
1943年 海鷹(かいよう) 13,600t 23.0kt 34機

 隼鷹型航空母艦同様、客船を改造して空母になった軍艦たち。戦闘には不向きだったため、主に航空機の輸送任務や、船団の護衛を行った。大鷹、雲鷹、冲鷹は同型艦で、神鷹はちょうど神戸に停泊していたドイツの客船を買い上げたもの。海鷹は他と比べてやや小さい。