メッサーシュミットBf109とスピットファイアと零戦の比較
第二次世界大戦の代表的な戦闘機といえば、ドイツ軍のメッサーシュミットBf109、イギリス軍のスピットファイア、そして日本の零式艦上戦闘機である。
それぞれ、どのような特徴を持っていたか比較してみる。
主力戦闘機の生産数
まずは各国の主力戦闘機の生産数。
戦闘機 | 生産数(約) | |
---|---|---|
ドイツ軍 | メッサーシュミット Bf109 | 31,000機 |
フォッケウルフ Fw190 | 22,000機 | |
イギリス軍 | スピットファイア | 23,000機 |
ハリケーン | 13,000機 | |
日本軍 | 零式艦上戦闘機 | 11,000機 |
一式戦闘機 隼 | 6,000機 |
ドイツ軍はかなり多くの戦闘機を作っている。日本の零戦は有名だが、他国と比べるとかなり生産数が少ない。生産力の差が表れている。
零戦は日本海軍、隼は日本陸軍の戦闘機。日本に空軍はなく、陸軍と海軍がそれぞれ航空部隊を所有していた。
ドイツとイギリスには空軍が創設されていた。もっとも、これは日本が遅れていたということではない。当時はアメリカも空軍はなかった。
バトル・オブ・ブリテンと航続距離
ドイツ空軍はイギリス本土航空戦「バトル・オブ・ブリテン」でで勝利できなかったため、評価を下げた。特に敗因として、主力戦闘機のメッサーシュミットBf109は航続距離の短さがよく挙げられている。
そこで、ライバルのスピットファイアと航続距離を比較してみよう。
戦闘機 | 航続距離 | |
---|---|---|
ドイツ軍 | メッサーシュミット Bf109 | 680km |
イギリス軍 | スピットファイア | 750km |
実は大して変わらなかったりする。ちなみにフランスからイギリス上空までは約160kmである。メッサーシュミット Bf109の燃料は往復するだけで半分になってしまうわけだが、スピットファイアだって似たようなものだった。
ではなぜ航続距離が短いとされるのか。日本やアメリカの戦闘機を見てみる。
戦闘機 | 航続距離 | |
---|---|---|
日本軍 | 零式艦上戦闘機 | 1,880km |
アメリカ軍 | P-51 マスタング | 1,530km |
ヨーロッパの戦闘機と比べると、とても長かった。
当時のヨーロッパでは戦闘機の航続距離は700kmもあれば十分と考えられていたが、日本とアメリカは広い太平洋上を飛ぶ必要があったので、長い航続距離を備えていたというわけ。
もっとも、航続距離が長ければいいというものでもなかった。ガダルカナル戦を支援したラバウル航空隊は片道2時間以上かけて戦場へ向かった。帰りも考えると、往復4時間以上。機体の航続距離は足りていても、パイロットには過酷な飛行だった。