第二次世界大戦の解説

大本営発表 ~ミッドウェー海戦の大勝利

 緒戦の日本軍は連戦連勝だったから、大本営発表もそのまま事実を伝えていた。

珊瑚海海戦の大本営発表

 1942年5月8日、大本営発表。

「帝国海軍部隊は米英連合の敵有力部隊を発見捕捉し、これに攻撃を加え米戦艦カリフォルニア型1隻を轟沈、英巡洋艦キャンベラ型1隻を大破、英戦艦ウォースパイト型1隻に大損害を与え、さらに米空母サラトガ型1隻及びヨークタウン型1隻を撃沈し攻撃継続中なり」

 大勝利である。平出英夫は「米英が三流海軍国に下落する日も近い」と語り、新聞は真珠湾攻撃以来の戦果と書き立てた。

 現実には空母レキシントン1隻を撃沈しただけだった。

ミッドウェー海戦の大本営発表

 1942年6月10日、ミッドウェー海戦から3日後の大本営発表。

「帝国海軍部隊はアリューシャン列島の敵拠点ダッチハーバー並びに同列島一帯を急襲し、反復これを攻撃せり。一方、敵根拠地ミッドウェーに対し猛烈なる強襲を敢行すると共に、増援中の米国艦隊を捕捉猛攻を加え、敵海上及び航空兵力並びに重要軍事施設に甚大なる損害を与えたり。判明せる戦果左の如し。

 敵航空母艦エンタープライズ型1隻及びホーネット型1隻撃沈、我が方損害航空母艦1隻喪失、同1隻大破、巡洋艦1隻大破」

 実際の結果は敵空母ヨークタウンを1隻撃沈したものの、航空母艦4隻と重巡洋艦1隻を失っていた。以降、大本営の発表は少なくなった。

第一次ソロモン海戦と大本営発表

 第一次ソロモン海戦では戦艦1隻、重巡洋艦4隻、軽巡洋艦3隻以上、駆逐艦4隻以上、輸送船10隻以上を撃沈したと発表した。後に戦艦を軽巡洋艦に修正し、重巡洋艦5隻撃沈を加えた。

 実際は重巡洋艦4隻撃沈で、輸送船も1隻しか撃沈していなかった。

 ちなみに日本海軍が敗北した第二次ソロモン海戦は発表されず、なかったことになった。

南太平洋海戦と大本営発表

 1942年10月27日、大本営発表。

「帝国艦隊はサンタクルーズ諸島北方洋上において敵有力艦隊と交戦、敵航空母艦4隻、戦艦1隻、艦型未詳1隻を撃沈、戦艦1隻、巡洋艦3隻、駆逐艦1隻を中破し、敵機200機以上を撃墜その他により喪失せしめたり。

 我が方の損害、航空母艦2隻、巡洋艦1隻小破せるも何れも戦闘航海に支障なし、未帰還機40数機」

 実際の戦果は空母ホーネットを撃沈、空母エンタープライズ大破だった。この頃になると、大本営発表で空母や戦艦を撃沈しまくっていために数が合わなくなっていたのだが、気にしないことにした。

第三次ソロモン海戦の衝撃

 第三次ソロモン海戦の結果は国民に衝撃を与えた。

 なんと戦艦を撃沈されたのである!

 大本営発表による戦いの結果としては、アメリカ戦艦を2隻撃沈、日本の戦艦を1隻喪失、1隻大破で敗北したわけではないのだが、連戦連勝だった日本海軍の戦艦が撃沈されたことは大きな意味を持っていた。

 なお、実際には戦艦2隻を失い、アメリカの戦艦は沈めていない。