第二次世界大戦の解説

チャーチルの演説 ~ダンケルク撤退~

 ドイツの攻撃を受けて大陸のイギリス・フランス連合軍は海岸線に追い詰められた。イギリスは総力を挙げて撤退作戦を行い、ダンケルクから辛うじて撤退に成功した。

 フランスの敗北は明らかであり、もはやヨーロッパでドイツに抵抗できる国はイギリスただひとつになってしまった。ヒトラーもフランスを降伏させれば、イギリスは講和に応じると考えていた。

 イギリス・フランス連合軍はダンケルクからの撤退には成功したものの、大部分の戦車や火砲を失っていた。

 1940年6月4日、ダンケルク撤退作戦が完了した次の日、絶望的な状況の中、イギリスのチャーチル首相は議会で演説を行った。

チャーチルの演説(1940年6月4日、抜粋・意訳)

 ……すべての国民が義務を果たし、最善を尽くせば、何年かかろうと、孤立無援となろうとも、我々は故郷を守り、戦いを勝ち抜き、暴政の脅威から生き延びることができる。

 大英帝国とフランス共和国は大義のため一丸となり、命をかけて祖国を守ろうとしている。

 ヨーロッパの広大な土地と伝統ある国家がゲシュタポやナチスの手に落ち、落ちようとしているが、我々は怯むことも止まることもない。

 我々は最後まで戦う。フランスで戦い、海で戦う。空で戦う。我々はいかなる代償を払おうとも、国土を守る。

 海岸で戦い、上陸地点で戦い、野で、街で、丘で戦う。

 我々は決して降伏することはない。

 万が一、このイギリス本土が征服され、飢えることがあろうとも、海の向こうに広がる我が帝国がイギリス艦隊と共に戦いを続け、解放をもたらしてくれるはずだ。

孤立奮闘するイギリス

 チャーチルの演説から6日後にフランスはパリを放棄して政府をボルドーに移した。14日にはパリがドイツ軍に占領され、1940年6月22日にフランスは降伏した。

 チャーチルの宣言どおり、イギリスは世界中でドイツ軍と戦い、独ソ戦が始まるとソヴィエト連邦も積極的に援助した。

 ヒトラーはイギリス上陸作戦も計画していたが、イギリス本土が侵攻を受けることはなかった。